【後編】建築に魅了された自分が、もっと魅了されているもの

「実家に戻る」という、本当の親孝行
お客様は、一人でマンションを購入し、
賃貸ではなく持ち家を既に持っていました。
ご自身でしっかりと経済的自立をし、人生を歩まれている方です。
仕事が忙しい時や出張の際、
ご実家は3階建ての二世帯住宅。
1階は以前は祖父母が住まわれていた空間でしたが、長年空いたままになっていました。
さらに建物全体も30年間、
外壁や屋根の防水性能も限界を迎え、
ご両親も「そろそろ直さなければ」と思いながらも、
そこでお客様は、1階をリノベーションして自分が暮らすことを決断されました。
そして、それだけではありません。
ご自身が戻るタイミングで建物全体の修繕を行う大きなきっかけが生まれ、
私は、この選択にとても素敵だなと思いました。
これは単に「実家に戻る」のではありません。
自立した一人の大人が、自分の力で家族の未来を支える決断にさえ感じました。
本人は気恥ずかしそうにしてましたが、
さらに、
建築は、暮らしだけでなく、
現場で生まれた「友人」のような関係
工事が始まると、
現場にはいつも笑顔がありました。
気づけば、お客様というより友人のような存在になっていました。
私は改めて思います。
本来、お客様と作り手である前に、一人の人と人です。
そこを見失うと、お金だけで結ばれた関係になってしまいます。
仕事である前に、その人の人生を応援できる建築でありたい。
私はいつもそう思っています。
私が建築よりも魅了されているもの
私は建築という仕事が大好きです。
ですが、もっと魅了されているものがあります。
それは、
人との関係の濃さとその濃さと覚悟が生む感動です。
建築ほど、人と深く関われる仕事はそう多くないと思っています。
仲の良い友人にも話さないような人生の話。
家族のこと。
将来のこと。
価値観。
悩み。
夢。
そうした話を聞かせていただいて初めて、
それがなければ、
みんなが「おしゃれ、素敵だね」と言ってくれる建築も嬉しい。
でも、それ以上に嬉しいのは、
そして、その暮らしを建てた後も守り続けたい。
だから私は、腹を割って話せる関係を大切にしています。
このご縁に、心から感謝を
今回のお住まいも、本当に素敵な家になりました。
そして何より、素敵なご縁をいただきました。
ご協力くださったお客様ご家族。
番組制作スタッフの皆さま。
現場を支えてくださった協力業者の皆さま。
本当にありがとうございました。
なお、
放送予定:2026年8月15日(土)15:30〜16:30
東海エリアでの放送となりますが、
これからも、一棟一棟ではなく、
そして自分も魅了できる人でありたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。