【前編】建築に魅了された自分が、もっと魅了されているもの

【前編】建築に魅了された自分が、もっと魅了されているもの

 

先日、一つのリノベーションプロジェクトのお引き渡しを迎えました。

完成したお住まいはもちろん素敵な空間になりましたが、このプロジェクトで自分の心に最も残っているのは、建物ではなく「人との出会い」でした。

写真は住まわれるお客様です。私も昔、同じ犬種を実家で飼っていたので、懐かしい気持ちに勝手になっていました(笑)


出会いはSNSから始まりました

 

今回のお客様との出会いは、SNSからいただいた一本のお問い合わせでした。

初めてお会いした際、私たちはいつものように自己紹介をし、家づくりに対する考え方や会社としての取り組みをお話ししました

そして、私が必ずお伝えしていることがあります。

「ぜひ、他の建築会社さんも見てきてください。」

少し意外に思われるかもしれません。

ですが、これは毎回、本心でお伝えしています。

建築は、建物さえ良ければ成功ではありません。

デザインが良い。
性能が高い。
価格が安い。

もちろん、それらも大切です。

しかし、本当に良い建築とは、その建物に住む人の想いや人生が重なり、そこに”魂”が宿ることだと思っています。

そのためには、お客様と私たちが「一緒にいいものをつくろう」と同じ方向を向いていることが欠かせません。

クリエイティブを互いに尊重し、人として信頼し合えること。

その関係性があってこそ、本当に良い建築が生まれると考えています。


その日のうちにいただいた「お願いします」

 

そんなお話をした、その日のことでした。

お客様から正式なお申し込みをいただいたのです。正直スタッフと一緒に驚きました。

さすがに早すぎじゃないかと、、

今回のリノベーションは1F部のフルリノベーション、さらには外壁と屋根まで修繕する工事のため、大きな金額です。

金額の問題ではないのですが、金額が大きければ人は決断に時間がかかるものです。

車一台を購入するときでさえ、多くの人は悩み、時間をかけて、比較します。

私も普段、悩みます。なるべく早く決断しようと意識づけてはいますが、、(笑)

それなのに、お客様は初めてお会いしたその日に、私たちに人生の大きな決断を託してくれました。

もちろん、その前からホームページなどをご覧いただき、私たちの考え方に共感してくださっていた部分もあったと思います

それでも、その場で「お願いします」と決断することは簡単ではありません。

「信じる」という言葉は簡単に口にできます。

でも、本当に信じる人は、その気持ちを行動で示します。

その決断の重みを受け取った瞬間、私たちの中には一つの覚悟が生まれました。

「この期待には、必ず応えたい。」

人の決断は、人を動かします。

だからこそ、この出会いは今でも忘れられません。


その後に訪れた、思いもよらない出来事

 

そんな中、一本のお話をいただきました。

CBCテレビで、新しい建築番組を立ち上げたい。

その番組づくりに協力してもらえないか。

まだ番組名も決まっていない。

予算も限られている。

構成も決まっていない。

いわば”ファーストペンギン”のような挑戦でした。

それでも、「建築の番組を東海でつくりたい!」という想いに共感し、できる限り力になろうと決めました。

しかし、番組づくりは想像以上に難航しました。

出演者が決まらない。

「テレビなら工事費が無料になるのでは?」という期待から応募される方も多く、本当に番組の趣旨に合う方となかなか巡り合えませんでした。

何度も打ち合わせを重ね、一度は募集者の方に会いに遠方に行ってヒアリングまでして、決まりかけた企画も白紙に戻ります。

放送日だけが近づいていきました。

そこで私はこのままでは自分たちが目指すような仕事、暮らしを変えたいという募集者は集まらないのではないか、

そう思い、私の方から「弊社のアカウントでSNSで募集はいかがでしょうか?」

という提案をさせていただきました。

ただ募集を開始して、何人かDMをいただいたのですが、同じように費用がディスカウントされるのか、など

お店の宣伝になるので?とご連絡をいただける方はいらっしゃいましたが、暮らしを変えたい!という

お客様はなかなか現れませんでした。

本音を言うと、頭にはお引渡ししたお客様の顔がよぎっていまっした。

が、TVのお話をいただく前からのご縁だったので、

負担やストレスをかけるのは不本意ですし、こちらからはお願いすべきでないと考えていました。

ところが、そのSNSを見て、その時に手を挙げてくださったのが、今回のお客様だったのです。

このプロジェクトは翌年からの着工に向けてゆっくり進める予定でした。

TVのスケジュールに合わせると負担をかけることもあるかもしれません。とお伝え、

悩むことなく、大丈夫です。と・・・ますますできる限り、なんとかしようと思っていました。

あの最初のご縁が、まさかTV番組を一緒に出演いただけるご縁につながるとは思いもしませんでした。

 

では、TVに放映される素敵なお客様はどんな家への想いを持つ方だったのか、、

後編へ続く・・・