【桜際の家 お引き渡しを終えて】〜弟の結婚式で渡した、一枚の名刺から〜

【桜際の家 お引き渡しを終えて】

 

〜弟の結婚式で渡した、一枚の名刺から〜

 

「たくやくん、名刺あったらちょうだいよ。」

弟の結婚式の途中、そう声をかけてくれたのが、今回の「桜際の家」のご主人です。

ご主人は、私の二つ下の弟の同級生。
昔から顔を知っている、地元の後輩です。

とはいえ、大人になってからは頻繁に会っていたわけではありません。
久しぶりの再会が、弟の結婚式でした。

その場で弟が、私が父の後を継ぐことについて、
兄が継いでくれるなら安心だ、と話してくれていたんです。

その言葉を、ご主人が覚えていてくれて。
それで、名刺ちょうだいよ、と。

まさかそれが、数年後の家づくりにつながるなんて。
その時は想像もしていませんでした(笑)

先日、その「桜際の家」を無事お引き渡しすることができました。

結婚式から二、三年ほど経った頃。
突然、ご主人から電話がかかってきました。

聞くと、すでにマンションを買って暮らしている。
でも、奥様が注文住宅を建てたいと強く願っている。

ご主人自身は、戸建てに絶対のこだわりがあるわけではなかったんです。
それでも奥様の想いを受け止めて、一度相談したいと。

結婚式での話を覚えていてくれたことも、昔から知る後輩が頼ってくれたことも、素直に嬉しかったです。
でも何より、奥様の願いを叶えようと動くご主人の気持ちが、いいなと。

こんな時、その想いに直結する、建築の仕事をしていてよかったなと感じます。

その後、守山区で開催した内覧会に来ていただきました。
私たちの家づくりを実際に体感してもらい、住まいの可能性を感じてくださったようで、
少し経ってから、正式にお願いしたいとお話をいただきました。

スタートは資金計画、お金のことがクリアになってはじめて、土地探しに進みました。
さらに、今お住まいのマンションの売却、融資の進め方まで。
不動産もサポートする私たちが、一緒に一つずつ整理しながらの家づくりです。

ただ、正直なところ、
土地探しは簡単じゃないなと感じていました。

ご主人が大切にしていたのは、通勤や日々の便利さ。
奥様には、お家で叶えたいことがたくさん。

その両方を、全体の予算の中でどう叶えるか。
エリアは?広さは?価格は?と、社内でも何度も話をしていました。

そんな中、思いのほか早く出会ったのが、この土地です。

約30坪半の、三角形の土地。

三角形!?
と聞くと、たぶん多くの方が、え、大丈夫?と思いますよね。

でも、この土地は違いました。

三方を道路や通路に囲まれていて、駅からも遠くない。
目の前には川と、川沿いに続く桜並木。季節の移ろいをそのまま感じられる場所です。
いわゆる変形地ということもあって、価格も抑えられていました。

スタッフと現地を見た時、私たちの中にあったのは、
ここしかないんじゃないか。
という感覚でした。

三方が道路や通路に面しているからこそ生まれる、周りとの距離や抜け。
建物と駐車場の置き方を工夫すれば、車を二台停めながら、ご家族の暮らしもちゃんと収められるんじゃないか。

形への不安より、可能性の方が見えていたんです。

整った四角い土地とは違う、この場所だからこその家を考えたい。
そんな気持ちで、設計が進んでいきました。

打ち合わせは楽しく、スムーズに進みました。
でも、それを実際の形にするには、細かな工夫の積み重ねが必要です。

大切にしたのは、二つ。
家の中からも桜並木を眺められること。
そして、道路に面していても、外からの視線を気にせず過ごせること。

開放感は欲しい。
でも、暮らしはきちんと守りたい。

窓の位置、視線の向き、空間のつながり方。
その両立を、ずっと探っていました。

奥様が特に大事にされていたのは、毎日の暮らしやすさです。

限られた敷地に駐車場を二台分とりながら、一階に水回りをまとめる。
こだわりのキッチンも、使いやすく、気持ちよく暮らせるように。
簡単ではなかったですが、一つずつ検討を重ねていきました。

工事が始まってからも、三角形はなかなか手強かったです。

斜めの部分の寸法や納まり。
室内を狭く感じさせないための工夫。
こういうところは、図面だけでは完結しないんですよね。

スタッフと職人さんたちが細部まで確認して、力を貸してくれた。
だからこそ実現できた家です。
本当に感謝です!

途中、情勢の影響で値上がりするものもありました。
それでも、できる限りお客様の負担を増やさず、良い家を届けたい。
その方針で進めてきました。

工事中もですが、完成したLDKに立った時、私自身にも新鮮な感覚がありました。

斜めの線が効いていて、立つ場所によっていろんな表情を見せてくれる。
それぞれの場所がゆるやかにつながっていて、そのつながり方が、すごく自然なんです。

三角形の土地をどう活かすか。
考え続けたことが、この家ならではの心地よさになったのかなと思います。

先日の内覧会では、この家を通して、また新しいご縁もいただきました。
目の前のお客様の暮らしを一生懸命考えたことが、次の出会いにつながっていく。
ありがたいですね、、、

住まいへのこだわりを持ったご家族なので、
これから家具や日々の暮らしが加わって、どんなふうに育っていくのか、私たちも楽しみです。

ちなみに「桜際の家」という名前。
家の前の通りに沿って流れる川の両側に、桜並木が佇んでいます。
春になると、この土地から本当に桜が見える。
桜のすぐ際に建つ、最高のロケーションなんです。
その景色を、そのまま名前にしました。

春になったら、この家から桜を眺める時間が、ご家族にとってどんなひとときになるのか。
今からちょっと想像しています。

地元の後輩として知っていたご主人と、こうしてご家族の家を一緒につくることができた。
お引き渡しの日は、昔を懐かしく思う気持ちと、任せてくれたことへの感謝でいっぱいの、温かい時間になりました。

あの日、名刺を渡しておいてよかった(笑)

この度は、大切な家づくりをアーキデイトデザインに託していただき、本当にありがとうございました。

家は完成しましたが、お付き合いはこれからも続きます。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。